リノベーションの注意点〜内断熱という落とし穴〜

f:id:sukekaku0222:20170611015042j:plain

 

ヨーロッパでは以前から浸透しており、非常に一般的な「リノベーション」

 

昨今は日本でも盛んで、僕の周りでも中古物件を購入、リノベーションしたなんて話をよく聞く。

 

自分好みに間取りを変えられたり、設備を選べる。しかも新築より安い!

Google先生に「リノベーション」を聞くと、そこには美しいデザインばかり。

 

良いじゃないかリノベーション!!

僕も絶対リノベーションやる!リノベリたい!

リノベ!リノベ!

 

とまぁかなり自分の中で盛り上げってたわけだが、

 

この「リノベーション」

 

ヨーロッパとは建物自体の造りがまるで違う日本では、実は非常に注意が必要だ。

 

ネット上の「美しくなった内装」にばかり騙されてはいけない

 

今日は「僕が中古マンション購入を躊躇した理由」を書いていく。

 

 

※ちなみに僕は昨年新築マンションを購入した。

sukekaku0222.hatenablog.com

 

 

リノベーション物件の優等生は築20年〜25年は本当??

リノベーションの最適物件としてしばしば薦められるのは、

築20年〜25年の物件だ。

・住宅ローン減税が受けられること

・中古物件として価格がかなり落ち着いていること

などが主な理由。

 

この築年数になると、15年目以降の外壁の修繕も済ましている場合が多く、

外見上は、

「全然まだまだ住めそう」と思ってしまう。

 

しかし、マンションの一番肝心な「躯体」の劣化は目で見えることはほぼない。

※見た目にもやばそうというマンションはそもそも管理状況が良くないので、

絶対に手を出さないほうがよい。

 

そしてこの躯体の劣化こそ、日本のマンションが持つ最大の弱点だ。

 

日本のマンションのほとんどが内断熱

マンションをいつまでも美しく、そして丈夫に維持させるには断熱材の役割が欠かせない。

  

外断熱か内断熱かはその名の通り、外壁のコンクリートの外に断熱材を設けるか、

内側に設けるか、という違いだ。

 

ヨーロッパでは広く外断熱が採用されているが、

理由は簡単で、とても快適だからだ。

 

コンクリートは熱を逃がしにくい素材だ。

 

つまり一度日光で暑くなるとその温度を維持しやすく、

また夜間冷やされたら、ずっと冷たいままだ。

 

外断熱の場合、断熱材がコンクリートをすっぽり包み込む構造なので、

このコンクリートの特性を抑え、室内の温度を一定に保つことができる。

 

しかし、断熱材がこのコンクリートの内側にある場合、

コンクリートの熱が長いこと室内に伝わり、夏暑く、冬寒いという環境になってしまう。

 

f:id:sukekaku0222:20170609233218g:plain

出典:住宅は基本性能で選ぶ!快適さと健康を支える断熱性能 | DOL特別レポートSPECIAL | ダイヤモンド・オンライン

 

当然、暖房やエアコンでこれを補うわけだが、

外壁のコンクリートとの寒暖差が激しくなり壁内結露しやすくなる。

 

結果、カビの温床となり、躯体や断熱材を劣化させマンションの寿命を大きく短くする。

 

 そしてそれをまた改善しようと、2003年以降、

「24時間換気」が義務化された。

これによって今のマンションは結露がほとんど少なくなったのだが、、、

 

もうおわかりのように、リノベーション物件として進められる

築20年以上のマンション義務化以前のものだ。

 

リノベーションする際に24時間換気を設備したとしても、

もう手遅れかもしれない。

人生で最も大きな買い物が、一瞬にして無駄になる。

なんとも酷い。

  

そもそもなぜ内断熱が日本で広く(9割以上)採用されているのかというと、

・外断熱に比べコスト安

・外観をデザインしやすい

 

つまり性能よりもデザインコストを優先させた結果だ。

 

まさに今のリノベーションという風潮と全く同じである。

 

まとめ

・日本のマンションはほとんどが内断熱。

・内断熱は結露を起こしやすく、マンションの劣化を進める。

・リノベーションの最適物件が築20年〜25年と言われているが、

 24時間換気がない内断熱マンションは劣化の進み具合が深刻な可能性あり。

 

つまり、

「リノベーション」×「築20年〜25年マンション」×「内断熱」

危険な場合があるので慎重に見極めよ。

 

皆さんもマンション購入の際はご注意を。